九州大学総長 石橋達朗
「九州大学教員ハンドブック2025」を刊行しました。このハンドブックは、新規採用の教員や学術研究員を主な対象として、大学の運営方針の共有と法令順守の徹底などを図るため、本学の理念・方針、運営組織、教育研究体制、服務・倫理規程、施設設備利用、各種事務手続など広範な事項を簡潔に分かりやすく掲載しています。
本学は、2021年11月に「指定国立大学法人」の指定を受け、その構想を基に、今後10年間の大学の方向性、方針を示す「Kyushu University VISION2030」を策定し、本学が目指す姿として「総合知で社会変革を牽引する大学」を掲げています。そして、その実現に向けて社会的課題(脱炭素、医療・健康、環境・食料の3 領域)の解決とDX の推進に取り組み、教育・研究はもとより、社会変革に貢献する活動を展開しています。
これを受け、2022年4月に、社会変革とイノベーションを促す基盤組織として「未来社会デザイン統括本部」、「データ駆動イノベーション推進本部」及び「オープンイノベーションプラットフォーム」を設置しました。2024年4月に、研究成果の社会実装をさらに加速化させることを企図して、学内組織であったオープンイノベーションプラットフォームを九大OIP株式会社として外部法人化しました。両本部及び九大OIP株式会社を核として、「総合知で社会変革を牽引する大学」の実現に向けた取り組みが加速しています。
また、2024年4月には、研究力向上を中心とした連携協力のために立ち上げた、九州・沖縄地区の11国立大学法人で構成する「九州・沖縄オープンユニバーシティ(KOOU)」と台湾の12大学で構成する「The University Academic Alliance in Taiwan(UAAT)」との間でMOUを締結し、半導体を始めとする様々な分野における教育・研究連携が開始されるなど、国内外の大学・研究機関との連携強化による教育力・研究力の強化を進めています。
新たに本学の教員・学術研究員となられた皆様には、本学のビジョンや取組を十分に理解いただき、その実現に資するよう教育研究活動に取り組んでいただくことを期待しています。
本ハンドブックを今後の活動の一助として活用いただければ幸いです。