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FD(ファカルティディベロップメント)

FDが注目される背景と高等教育政策

 「求められる大学教育の改善とどう向き合うか」、FDは、そのための回答の一つと言えます。少子化や進学率の上昇、高等教育の国際市場化などの社会の変化により、大学教育の改善、教育の質保証のための積極的なアクションが必要になっています。

 「教育の質保証」は、最終的には輩出した学生の質ということになりますが、その成果は非常に測りにくいものです。よって、教育のプロセスや大学の教育能力も教育の質保証の重要なファクターであり、また、教育の改善活動の推進は、大学の自己改善能力とPDCAサイクル稼働の重要な証左にもなります。

 特に90年代以降の教養部廃止の流れの中で、多くの大学で大学教育開発関連のセンターが設置され、FDの実施を担当するようになっていました。しかし、第三者評価が義務化された後も、必ずしも大学教育の大きな改善はまだまだ進んでいない現状があります。

  • 1998年:大学審議会答申※(1999年に省令で努力義務)
  • 2003年度:専門職大学院設置基準(実施義務)
  • 2007年度:大学院設置基準(実施義務)
  • 2008年度:大学設置基準(実施義務)
    • ※21世紀の大学像と今後の改革方策について-競争的環境の中で個性が輝く大学-(答申)

 そこで、国の政策面からも、FDは、紹介や推奨の段階を過ぎ、設置基準上も実施が義務付けられるようになりました。ここでいう義務とは、教員個人が必ずFD活動に参加しなければならないということではなく、機関としての大学組織が実施する義務を負っているという意味です。

FDの分類と特徴

 大学設置基準には、「大学は、当該大学の教育研究活動等の適切かつ効果的な運営を図るため、その教員及び事務職員等に必要な知識及び技能を習得させ、並びにその能力及び資質を向上させるための研修(次項に規定する研修に該当するものを除く。)の機会を設けることその他必要な取組を行うものとする」(第11条第1項)、「大学は、学生に対する教育の充実を図るため、当該大学の授業の内容及び方法を改善するための組織的な研修及び研究を行うものとする。」(第11条第2項)、「大学は、指導補助者(教員を除く。)に対し、必要な研修を行うものとする。」(第11条第3項)とあり、この部分が、設置基準に記されたFDに関係する唯一の記述と思われます。しかし、FDという語が指す意味の範囲は、一般的にもっと広く捉えられており、大学が教育・学習効果を高めるために組織的に行う様々な取組という具合に、多少曖昧に理解しておいてよいでしょう。

 そのような多様な取組を、①教員の教育(授業及び指導)能力の向上のための取組<ID>、②カリキュラム(教育課程)の開発(改善)のための取組<CD>、③教育効果を高める組織の開発(改善)のための取組<OD>、と3つに分類する方法があります。

 IDは、設置基準が指す内容のもので、授業や指導法の改善を目指した取組で狭義のFDと言えるでしょう。CDは、カリキュラムなど組織的な教育に関するもので、例えば、GP採択にいたるまでの部局内の活動は、まさにCDの一つと言えるでしょう。ODは、組織そのものに関することで、学府・研究院制度を活用した新たな教育組織の創出は、ODの典型でしょう。

Instructional Development:教員の教育(授業及び指導)能力の向上授業評価、授業参観、教材、シラバス、IT、ティーチング技法 等
Curriculum Development:カリキュラム(教育課程)の開発(改善)初年次教育、キャリア教育、コースワーク、プログラム開発 等
Organizational Development:教育効果を高める組織の開発(改善v学部・専攻等の設置・改組、大学教育センター、講座制 等
Professional Development:教員のキャリア構築初任者、教員評価、研究倫理、研究費、知的財産、ハラスメント

 また別の視点から、教員のキャリア形成を支援する<PD>も広義のFDとして理解することができます。

全学の体制・取組

[全学FD]

 教育改革推進本部では、学修者本位の教育を推進する全学指針として平成30年度に「九州大学教学マネジメント枠組み」を策定し、この方針にそって、各学部・学府における教育の高度化を支援する環境整備を行うとともに、教育改善を図るためのFDを組織的に実施しています。

部局の取組

 各学部・学府並びにセンター等の部局において、FDや教務関係の委員を中心に独自の課題に関するFDが行われています。開催回数は、部局により異なり、年に数回、月に1回など様々です。

 FDの形式は、外部の講師を招いた研修会形式、もしくは授業評価やアンケートの分析など部局内の検討会形式など、部局の課題やFDの目的に応じて多様な形式が取られています。