放射線障害防止等
放射線や放射性同位元素等の利用に伴う有害な放射線障害の危険性から、放射線業務に従事する人や一般の人々を守るため、放射性物質を使用する際には、放射性同位元素等の規制に関する法律、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律などの法令を遵守しなければなりません。本学においても、九州大学放射線障害予防規則等を制定し、放射線障害の防止に努めています。
○放射性物質について
放射性物質とは、放射能(放射線を出す能力)を持つ物質の総称で、トリチウム、コバルト60、ウラン、トリウムなど(これらにより汚染された物を含む。)がこれに該当します。これらの物質は、「放射性同位元素」又は「核燃料物質、核原料物質」(国際規制物資)に大別されます。
- ①放射性同位元素
トリチウム、コバルト60、セシウム137等放射線を放出する同位元素及び
その化合物並びにこれらの含有物をいいます。 - ②核燃料物質
天然ウラン、劣化ウラン、濃縮ウラン、トリウム、プルトニウムをいいます。 - ③核原料物質
ウラン鉱、トリウム鉱その他核燃料物質の原料となる物質をいいます。
○九州大学放射線障害予防規則
放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号)及び電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号)に基づき、九州大学における放射線障害の防止に関し必要な事項を定めています。
○放射線障害予防規程
放射性同位元素等(放射性同位元素、放射線発生装置、表示付認証機器又はX線発生装置(加速電圧1,000kv未満の電子顕微鏡を除く。))を教育・研究で使用するためには、九州大学放射線障害予防規則に則り、各取扱施設で定めている放射線障害予防規程を遵守しなければなりません。
放射線障害予防規程は、主に次の事項について規定しています。
①安全委員会の設置
②放射線取扱主任者等の選任配置
③施設設備等の点検
④業務従事者の登録
⑤使用前手続き
⑥使用手順
⑦使用後の処理
⑧保管
⑨廃棄
⑩業務従事者に対する教育訓練
⑪健康管理
⑫被爆線量の測定
⑬事故・危険時の措置
⑭法等に違反したときの措置
各取扱施設で定めている放射線障害予防規程についてはこちらをご確認ください。
・九州大学規則集「第3編 安全衛生・環境保全」
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/university/information/rule/rulebook/pdf_list/10
○取扱い等を始めるにあたって
放射性同位元素・放射線発生装置等を取扱い、管理又はこれに付随する業務に従事しようとする場合は、放射線取扱者従事登録を行わなければなりません。
同様に、X線生装置等を取扱い、管理又はこれに付随する業務に従事しようとする場合は、X線発生装置取扱者従事登録を行わなければなりません。
【新規登録手順の概要】
① | 所属部局長(所属部局担当事務)へ登録希望の申し出を行う。 |
② | 所属部局担当事務から「登録申請カード」、「ガラスバッジ申込書」、「放射性同位元素等取扱者手帳」の配付を受ける。 |
③ | 新規教育訓練を受講する。(アイソトープ統合安全管理センターにより実施) |
④ | 取扱施設ごとに実施される放射線障害予防規程講習会を受講する。 |
⑤ | 「登録申請カード」「ガラスバッジ申込書」「放射性同位元素等取扱者手帳」に必要事項を記入し、所属部局担当事務に提出する。 |
⑥ | 後日、所属部局担当事務から「健康診断日程通知」、「電離放射線健康診断個人票(個人票)」、「電離放射線健康診断問診票(問診票)」の配付を受ける。 |
⑦ | 電離放射線健康診断を受診する。 |
⑧ | 健康診断の結果が通知(個人票、問診票の写しが交付)されるので、「放射性同位元素等取扱者手帳」に貼付する。 |
⑨ | 登録完了通知が交付される。 |
※ガラスバッチの申込及び⑥~⑧の手続きは、管理区域内での作業に従事する場合に必要となります。
【登録の更新】
登録の有効期間は年度末までです。
次年度も引き続き、放射性同位元素及びX線等を取扱う場合は、登録更新を行ってください。
なお、登録更新する場合はアイソトープ統合安全管理センターが実施する教育訓練を再受講する必要があります。(放射性同位元素等取扱者のみ)
【学外施設の利用】
学外で放射線関係施設を利用する場合は、本学での放射線取扱者従事登録が必要ですので、所属部局担当事務にご相談ください。
その他、手続き等の詳細については、所属部局担当事務に確認してください。
各部局担当事務の連絡先については、こちらを参照願います。
・放射線障害防止(RI・X線)について
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/research/ethics/radiation
○放射性同位元素等使用承認施設
承認施設 |
アイソトープ総合センター病院地区実験室 |
病院(別府病院を除く。) |
別府病院 |
生体防御医学研究所 |
アイソトープ総合センター伊都地区実験室 |
加速器・ビーム応用科学センター |
○エックス線取扱施設
取扱施設 |
病院(別府病院を除く。) |
別府病院 |
生体防御医学研究所 |
医学部(医学部保健学科を除く。) |
医学部保健学科 |
歯学部 |
薬学部 |
理学部等 |
工学部等 |
農学部 |
地球社会統合科学府 |
総合理工学府等 |
応用力学研究所 |
先導物質化学研究所 |
カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 |
基幹教育院 |
水素材料先端科学研究センター |
伊都診療所 |
芸術工学部 |
エネルギー研究教育機構 |
高等研究院 |
○核燃料物質等の取扱い
核燃料物質(国際規制物資)を使用しようとする場合、原子力規制委員会の許可を受ける必要があります。また、その使用者に対しては、保安措置、計量管理、報告等の義務が課せられます。